カブト虫をとりに行く

 コクワガタを近所で見かけるくらいだから、
 早朝、クヌギの木のある公園に行けば、
 東京の公園でも、野生のカブト虫やクワガタがいるかもしれない。

 そう思って、息子に朝早く起きて探しに行くことを、
 先日提案していた。
 そして、約束どおり昨日の朝、息子を起こす。
 
 「カブト虫をとりに行くよ」と言うと、
 眠い目をこすりながら、息子は「わかった」と言って、
 すくっと立ち上がった。

 ママは留守番。でも、急いで食べた朝ご飯じゃお腹がすくかもしれないと、
 息子と僕におにぎりを作ってくれて、水筒も準備してくれた。

 二人で自転車で約10分の公園に向かう。
 事前に、その公園にクヌギがあることは調べておいた。
 時期的にもう少し早いほうがよかったのだけれど、
 思いついたのが最近なので仕方がない。
 せめて、カナブンなどの昆虫だけでもとれれば、と思って出掛けた。


 公園に着いたのが朝7時すぎ。
 森林保全地域に指定されている公園。
 一本ずつ木を見ていくが、カブト虫はおろか、カナブンその他まったくいない。
 セミの抜け殻だけ。
 足元でハサミ虫を見つけて息子は喜んでいた。
 やっぱり無理かな、と思い始めたとき、
 手を伸ばせばようやく届きそうな場所に、カブト虫のメスを発見!
 アミで押さえてから入念に捕獲。
 野生らしくまんまる太っていて、虫かごに入れた後も、
 羽をばたつかせて元気があり余っているようだった。

 その後、カナブンが6〜7匹、蜜の出ている木に、群がっているのも見つけた。
 1匹だけとる。その木の裏側には、スズメバチもいた。
 
 息子はもちろん大喜び。帰ってきて近所の子にさかんに自慢していた。
 ぼくも、まさか近所でカブト虫がとれるとは思っていなかった。
 なんか得した気分。
 が、金曜の夜、仕事で遅かったので、本当はとても眠かった…。