『加速力で成功をつかめ』齋藤孝著

 全体的に口述筆記のような(実際そうかもしれながいが)、よく言えば「読みやすい」、悪く言えば「感覚的な」本だと感じた。

「加速力」で成功をつかめ!

「加速力」で成功をつかめ!

 練習とは、一種の実験である。実験である。実験では条件をある程度、固定させることが大事だ。何を変えたら、どんな変化が起きたかかを探る。それをせず、ただ、自分の動きにしか意識が向かないと、「昨日は調子よかったけど、今日は調子悪いな」と調子の問題だけで終わってしまうのだ。

…「何を変えたら、どんな変化が起きたかを探る」は、コロンブスの卵のような、言われてみれば当たり前だが、認識していなかった。一つの習慣・作業を行う場合、一定の条件で「できたか」「できないか」をみていたが、その条件の中でも、「変えるところ」と「変えないところ」を意識して、細かく調整するという視点があってもいいかも。

 フィードバック回路をつくるにはどうすればいいか。
 まずは記録をノートにつけ、現状を認識することだ。
 (中略)
 記録をつけるという行為が、人の中にある意欲を必然的に引き出すのである。

…やはり、フィードバック分析を行うには「書くこと」が大切なのか。

 加速度を増していく過程において、最大の障害は不安やおびえである。「この道でいいのか」「この先にどんな災厄があるのか」と悩むことは、膨大な量のエネルギーの消耗になる。結果として、成功も遠のくことになる。
 逆にいえば、いっさい迷いがない人なら、同じエネルギーでも圧倒的に仕事量が増えることになる。(中略)実際、およそ成功したといわれている人の話を聞いてみると、たいてい自信に満ちている。それも、意外と根拠は希薄だったりする。

茂木健一郎の著書でと思うが、根拠がなくても希望を持つことの大切さ(それが脳ひいては身体によい影響を及ぼす?)というようなことを読んだ覚えがある(うろ覚え)。それを思い出した。