9月10日(金)、大阪出張のついでに、奈良に足をのばす。
宿泊はJR奈良駅前のホテル日航奈良。
夕方から奈良駅の中心通りである三条通りを歩く。
猿沢池で、興福寺の鐘を聞く。
日が沈んで、夜のならまちを散策。
三条通りは、すっかり景観が悪くなってきたが、
ならまちはまだまだいい感じ。
お腹がすいてきたところで、「かえる庵」という十割そば屋に入る。
東京なら、卵焼きや板わさ、天ぷらなどの酒の肴が普通にあるものだが、
関西はどうなんだろう。たまたまこのかえる庵の前にのぞいたある蕎麦屋でも、
酒の肴は置いていなかったのだが、これはあくまでたまたまなんだろうか。
かえる庵では、「もりそば 大」を平らげる。
美味しかったが、感動するほどでもないというのが正直なところ。
翌朝、ホテルで自転車をレンタルして、
奈良市内を巡る。
暑いが、バスや電車でまわるよりよっぽどいい。
開放感があるし、なにより時間に左右されない。
まず久しぶりに興福寺。
東金堂をのぞいて、にわかにまた「朱印帳がほしい」と思い、
新たにつくった。
国宝館では阿修羅像、興福寺仏頭が戻ってきていた。
ぼくが好きな天燈鬼、竜燈鬼も健在。
今回いいなあと思ったのが、金剛力士像。
一見、運慶作かなと思ったら、康慶の弟子とされる定慶の作とのことだった。
そこから自転車で、春日大社の一の鳥居を抜けて、
高畑方面に。志賀直哉旧居と新薬師寺を目指す。
前から志賀直哉の短編が好きで、最近「和解」を読み終えたところでもあった。
風光明媚で閑静な地に、直哉の心ばえがそのままあらわされたような、
質朴で心地いい空間だった(写真は1階の直哉の書斎)。
そこから歩いてもいけるくらいの距離に、新薬師寺はあった。
それにしても、奈良の古寺を訪れると、
いつも、お堂の白壁の美しさに心を奪われる(写真は新薬師寺の本堂)。
不思議と京都ではそこまでの印象は残らない。
新薬師寺の薬師如来坐像(739年ごろ造立、国宝)は、
一度みたら忘れられない像であろう。
大きな目でどっぷりとした堂々たる体躯はユーモラスである。
薬師如来を囲む十二神将立像(729〜766[天平年中]の作、国宝)も、
素晴らしい。
そして、自転車で大返し(?)。
奈良駅まで戻って今度は西に自転車を走らせる。
以前法華寺を訪れながら、時間が足りず寄れなかった海龍王寺に向かう。
本尊の十一面観音菩薩立像(重文)は、
宋の様式に影響を受けた、美しい鎌倉〜室町期の仏像である。
当初、秘仏であったため、彩色もずいぶん残っている。間近で拝観できた。
そこから、今年が平城遷都1300年に当たるということで、
平城宮跡に行く。
太極殿と朱雀門の復元されたのをみたが、あまり感じることはなかった。
奈良駅に戻り、急いで京都に移動。
友人のJちゃんの新居を初めて訪れる。
いっとき話をしてから、
夕方から近くの吉田神社、宗忠神社、真如堂、金戒光明寺(くろだに寺)を案内してもらう。
いいところでした。やっぱり京都に住みたいねェ。
夜は、近くを歩いてみつけた「薬膳 柿沼」。
和食を美味しくいただきながら、またつもる話。
いい時間でした。
8時半前にJちゃんと別れて東京に戻る。
出張ついでながら、充実したいい小旅行だった。