- 作者: ジーンストラトン・ポーター,Gene Stratton‐Porter,鹿田昌美
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/05/12
- メディア: 文庫
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生まれて間もなく、片手を切断されたうえで、
施設の前に捨てられた少年。
自分の名前すら知らず、見た目から「そばかす」と呼ばれる。
「そばかす」は、大人すら恐怖でいられないという、
「リンバロストの森」で木材泥棒から森を守る番人の職を何とかして得る。
森や沼地にはガラガラ蛇や得たいの知れない動物がうごめく。
孤独と恐怖、厳しい自然と闘いながら、
そばかすは、たくましく成長していく。
初めて人の愛情に触れて感動し、初めて自分でお金を稼ぐことで自由を感じる。
そばかすのまっすぐな気持ち、シンプルなストーリー、周囲の人たちの温かさ、
最後の意外な展開。
これを読んで連想したのが「絵本」の力。
絵本は、単純で短いストーリーに、分かりやすい絵が描かれている。
それでも大人は子ども同様、時に心を揺り動かされる。
大人が書く小説では、人間の複雑な心の動きを醜くとらえてクローズアップしたり、
理屈で無理して生きる大人たちのせめぎあいがあったり、
ストーリーも一筋縄ではいかないなど、
身近すぎて疲れるというものも少なくない。
時にシンプルなストーリーに登場人物、ハッピーエンドという単純な物語も、
心地よく元気が湧いてきていい、と感じる。