『1Q84』 村上春樹著

 

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

 生きる力が湧いてきて、
 一つひとつの文章を読んでいくうちに、
 思考の仕方、リズムが等身大に心地よく再調整されていく。
 毎日の運転で痛んだ車の部品を一つずつ点検して
 油をさしたり修理をしているような感じ。 
 ひと言でいえば、元気になって癒される感じ。
 村上春樹の小説には、そういうふうに感じるものが多い。
 その意味では、神話的で、現代社会への「アンチモーメント」といえるのかも。
  
 一番の魅力は、登場人物たちの原理主義ではない「自己肯定」の生き方だと思う。
 だから僕もナチュラルな感情で物語を読む。
 そして揺さぶられる。そして、立ち返る。   
 エンターテイメントとしても抜群で、毎日惜しむようにして読んだ。