- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
- 購入: 4人 クリック: 68回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
今回観たのは、ヒッチコックの心理サスペンス「レベッカ」。ヒッチが英国からハリウッド入りしたときの最初の作品で1940年(和暦でいうと昭和15年)の製作。
嫌味な金持ちおばさんの付き添いの仕事で、モナコのモンテカルロに来ていた若く美しい米国人女性の「わたし」(ジョーン・フォンテーン)が、英国の大荘園マンダレーの当主(ローレンス・オリヴィエ)に見初められ、2度目の妻として大邸宅に迎えられる。前妻のレベッカは悲しい事故で死亡したという。庶民の出自で立ち居振る舞いもままならない「わたし」が、美しさ、教養などすべてがパーフェクトであったというレベッカと自分を比較してさいなまれる。
前妻レベッカの様子は、今も邸宅を取り仕切る怖い女中を通して主に語られる。レベッカの写真、過去にさかのぼった映像による描写は一切なく、すべてが人の噂や思い出といった語りのみで描写される。目に見えるのは使用していた調度、文具、衣装など。豪華のひと言。レベッカが「見えない」というのは、「わたし」の持つレベッカに関する知識と、観ているぼくらの知識が同じ、つまりそれにより抱く不安も同じということ。
レベッカが生前使っていた部屋は死亡した当時のまま保存され、「わたし」は「絶対に入ってはいけない」と、女中に釘を刺される。しかし、なぜかあるとき、そこに人の気配が…。
女中がレベッカの部屋に入った「わたし」を見つけ、開け放った窓から飛び降りて自殺するよう「わたし」の耳元で語りかける。怖い、怖い。
しかし、そこからラストまでの展開が「意外」の連続で、ハラハラ感が最後の最後まで持続する。
とても面白かった。